空間を巧みに利用し、機能美を追求した螺旋曲げの鉄骨階段です。注文住宅では、特にお客様の「こだわり」がより強く追及されます。だからこそ、私たちのようなオーダー製作の鉄工所の技も発揮され、通行人の方々からも「お!」と思われる家になります。
◆ もくじ ◆
螺旋に曲げた鉄骨階段を作ったら「モダン」だった
建物の直角の入り角に90度回転するように螺旋状にアール曲げ加工したササラ桁とステップ。微妙な曲線の原寸出しに気を使いながら全て自社工場で作りました。
施工位置に印をつけて(墨出しといいます)、重機でパーツごとにバラバラに荷揚げして取り付けていきます。
階段のササラ桁もステップも螺旋アールに作る
加工も設計も施工も、まっすぐな階段に比べるとさらに気を使います。ササラ桁(鉄骨階段の段板の両側を抑える鉄板部分)も螺旋曲げ。専門の曲げ加工業者に委託して曲げパーツを作ります。また、階段の段板も二つと同じものがありません。オーダイメイド鉄骨階段工事の醍醐味です。
ちなみに、螺旋アールに曲げることができるのはササラ桁のみです。ステップはそのアールに合うように個別に作っていくのです。
螺旋曲げの鉄骨階段は建物にアンカーで固定。これで下と上の部屋を階段で行き来できるようになりました。
室内で使うため、新しい外壁を鉄骨で作る
この階段は外部階段ではなく室内階段になります。鉄骨階段の本体ができたあとは、この階段が室内に収まるよう、新設の外壁下地の鉄骨を工事します。
外壁下地の鉄骨も下の螺旋曲げ階段と同曲線に作ります。こちらもアンカー固定。ちなみに、階段と上部にできた下地鉄骨に1本だけ柱のようなものが通っていますね。
これが一定の間隔で施工されて外壁下地の鉄骨となります。
外壁の下地イメージとしてはこのようなものです。点線のように、このあと複数本の鉄骨が下にある鉄骨階段とボルト固定されて、「階段室」ができあがっていきます。
完成したらやっぱり「モダン」な仕上がり。ご近所でも目を引く存在に
鉄骨の下地工事が終わったあとは、アルミ材とスモークガラスで化粧。これで螺旋曲げ階段が収納されたガラス貼りの階段室の完成です。とてもモダンな仕上がりとなりました。ご近所の通行人の方々も「おお」と驚いてくださいます。
空間を有効に使い、コンクリート打ちっぱなし建物と見事に調和した階段室となりました。階段を上り下りする住人の方の姿がぼんやりと見えるのも今風ですね!