現在ある「ドライエリア(地下部屋への採光や通気性をよくするための開口)」に直接出入りができるように、鉄骨階段を付けたいというご要望が意外と多いです。地下部屋の用途によってはそのまま降りるのが便利なんですよね。
ドライエリアに直接降りたい理由
ドライエリアに直接降りたい理由は、ほぼ「地下部屋を有効利用したいから」です。この工事の理由は9割がこの理由です。今回のオーナー様も「ドライエリアの地下部屋にお客様が直接降りられるようにしたい」とご希望でした。もちろん階段をあとから設置することは可能です。
これまでは、地下部屋に行くために建物の中にある階段を使って降りていましたが、地下部屋が独立した用途になったとき「わざわざ建物に入らず降りられたら・・」となりますね。
さっそく現地でお打合せしました。建物玄関のすぐそばにドライエリアがありました。ここに地下のそのまま降りられる鉄骨階段を設置します。
下記のような階段の設計図を用意して、ミリ単位で計算通りの正確な工事を進めます。ここがとても大事な部分。オーナー様と時間をかけて進めます。承諾をいただけたら工場で階段を製作しつつ現地での準備作業をスタートします!
腰壁を一部解体する
まずは腰壁の解体工事をします。鉄骨階段の設置部分に、出入りスペース分の開口を設けるためです。通行量のあるところなので、バリケードや粉塵、騒音への措置も慎重に行っていきます。
このあと、鉄骨階段を設置するまでの数日間は仮囲いをして転落防止のバリケードを設けます。
重機を使った鉄骨階段の設置工事
広い道路に面した場所なのが幸いして、この工程はスムーズにいきました。通行人の安全を確認しながら重機を使って鉄骨階段を吊り下ろしていきます。
重機で卸した鉄骨階段はパーツごとに分割されて施工します。
こちらは階段の踊り場部分。鉄骨フレームを設置しています。開口部に合わせた形状で組み立てます。
いよいよ階段の姿が見えてきました。かがんでいるおじさんの場所が、ちょうど腰壁を解体したスペースです。
今回の鉄骨階段は溶融亜鉛メッキ仕上げです。耐候性に優れた効果を発揮します。腐食サビに強いで金属製の電柱や鉄塔でも採用されています。
鉄骨階段を安全に快適に使ってもらうために
この鉄骨階段について、その他の要素をご紹介します。
昇り降りで滑ったりしないように、踊り場と段板部分にはタキステップ(長尺シート)を敷設します。小さなお子さんもお年を召した方も安心して使っていただけます。
階段の一番したの段や、階段の柱の根元はコンクリート製にしています。鉄部の腐食防止です。
階段の入り口には門扉を設置して安全を確保しています。ちょうどこの部分が腰壁の解体部分なのですが、開口部の鋼板(ステンレス製)カバーをつけて保護。さらに周辺部のシール材の打ち替えもしておきました。
これで安心してドライエリアから直接、地下部屋へ向かえるようになりました。