階段支柱をなくしてドライエリアのスペースを有効活用

ドライエリアへ降りる鉄骨階段
建物の1階(つまり地上)からドライエリアに降りる鉄骨階段です。コンクリート打ちっぱなしの家に似合う、無機質な印象を持たせるため、極力シンプルに、かつ、ドライエリアの空間を損なわないように工夫をします。

あ、ドライエリアをご存知ですか?地下室の採光や風通しが良くなるし、ほかにもメリットがあるのですが、ウィキペディアでこんな風に解説しています。

ドライエリアとは、地下室を持つ建築物の外壁を囲むように掘り下げられた空間のことで、「空掘り」ともいう。ドライエリアを設ける目的は、主に地下室の環境の改善であり、採光・防湿・通風の確保・閉塞感などの解消・避難経路の確保などである。wikipedia

今回は、このドライエリアに地上から直接降りることもできるように、鉄骨階段を施工することになりました。

重機で設置をしました
こちらの現場は重機(クレーン)が入ることができましたので、工場で完成さた階段を吊り上げて施工します。

今回の工事ではドライエリアの空間を損なわないこともテーマでしたので、支柱のない鉄骨階段にしなければなりませんでした。

このため、ドライエリアの壁面に階段のササラプレートを直接施工します。これで支柱がなくても、壁面にくっついた階段として強度を保てます。

ササラプレートの下端にピース(施工用の小さなプレート)を予め作っておき、壁面にアンカーボルトで固定します。

階段のササラプレート"

上から見た鉄骨階段
外部に施工した鉄骨階段であるため、ステップはモルタル打設タイプにしています。この上にタイルを貼って化粧することもありますが、今回は無機質感を出すためそのまま。

階段はこのモルタルを打設するために箱曲げした鉄板を加工し、さらに中にワイヤーメッシュという、太い針金のようなものを縦横に縫わせておき、モルタルの絡みをよくして、あとからボコっとモルタルが取れないようにします。

ドライエリアから見上げてる鉄骨階段
この階段の手すりはステンレス製にしました。鉄骨階段の本体とは、この手すりの支柱をサンドイッチするように、耳たぶのような金物を作り、ボルトで固定します。

階段本体は白塗装。手摺はメタリックなヘアライン。無機質なモダンな建物に、さらにアクセントがつきます。