灯台の階段をイメージした、室内のらせん階段

「イメージは灯台の中のらせん階段なんです」

お話をいただいたときは「???」でしたが、調べてみると「なるほど・・これを鉄骨で作るのか・・・」と、思わず腕を組んでしまいました。しかし、これぞ鉄工所の腕の証!灯台のらせん階段を鉄骨で実現します。

灯台のらせん階段の特徴とは?

著作権の事情もあるので当社のHPでは掲載できませんが、Googleの画像検索で「灯台 らせん階段」と検索してみください。

参考:Googleで「灯台 らせん階段」画像検索

つまり、灯台のらせん階段とは「芯柱がない状態のらせん階段」です。

灯台は、その形状からして上に登るためには「らせん状」の階段になっていないといけません。まっすぐな階段や折り返し階段では、建物が円筒形では実現できないからです。

また、灯台の内部階段はコンクリート製になっていることがほどんどです。しかし、今回の工事では、このらせん階段を鉄骨で作るのです。通常の鉄骨らせん階段は芯柱がセオリーですが、このらせん階段はそうはいきません。

らせん階段の設計で悩む

こちらが今回の現場。この建物の地下~屋上へと貫通するらせん階段を施工します。屋上に小さな小屋(ペントハウス)が見えますね。らせん階段はここまで上がってきます。

さて、芯柱無しのらせん階段をいかに作るか、いかに固定するか・・。

建築会社さんや設計事務所とも何度も打合せを重ねて、アイデアをカタチにしていきます。このらせん階段に求められる条件は主に下記です。

  • 芯柱(真ん中の柱)をなくす
  • ササラ桁は外側のみ
  • ササラ桁のみが固定の基点
  • 段板となる木製段板を「片持ち」にする

芯柱が存在せず、かつササラ桁が外側のみなので、従来のらせん階段の設計感覚を拭い去る必要がありました。そもそも外側のササラ桁は19mmのぶ厚い鉄板。これをらせん曲げするには・・と冒頭からひと苦労でしたが・・話が長くなるので割愛します。他にもたくさんの技術と工夫を詰め込んだらせん階段を製作していきます。

灯台のらせん階段が完成!

半月以上の製作期間をかけて、ようやく「灯台のらせん階段(鉄骨)」が完成!

地下から4階までを貫通して設置されたらせん階段工事です。当社は設計~施工まで一貫して請け負っています。塗装や木製段板は建築会社さんの職人さんに対応していただきました。

では、この鉄骨階段の工事風景を以下に掲載しますのでご覧になってください。

鉄骨工事アルバム

らせん階段が開通する大きな穴。建物内の吹き抜け空間の内壁や床を使ってらせん階段を固定します。そのための準備としてケミカルアンカーを打設。

搬入されたらせん階段はフロアごとに4分割されています。階段の内側には手すり。外側にはササラ桁がついているのが見えます。さて、この分割されたパーツをクレーン重機を使って建物の中に吊り下ろしていきます。(つまり建物の屋根に大きな穴が空いているわけです)

建物の中から上空を見上げた写真。大きな穴が空いています。この穴に分割されたらせん階段を吊り下ろしていきます。スラ-!スラー!!

この螺旋階段の直径はおよそ2.5M。らせん階段の中心は0.8Mほどの丸いスペースがあります。

らせん階段のシンプルな意匠は主張したいので、床への固定、開口の内壁への固定、吊りボルト固定・・。と、最低限の固定方法でらせん階段を納めます。

同じようなアングルで完成写真を撮ってみました。段板は木製となっています。

芯柱(中心の柱)がないので、デザイン的にも個性のある、すっかりした見た目になっています。

「灯台のらせん階段」。とうとう完成です。お客様にもご満足いただけたようで何よりです。

設計事務所さんの内装へのこだわりも感じます。まるでおしゃれなカフェの中にいるようです・・。

私たち職人は缶コーヒーですけど。