なぜ螺旋階段の手摺は縦格子タイプをオススメしたいのか。

屋上に上がる螺旋階段を上から見る

螺旋階段をご注文をいただきました。今回の螺旋階段では手摺を縦格子にしています。手摺が横格子の螺旋階段もよく見かけますが、今回の手摺は縦格子にしています。なぜか?それはお住まいの方との茶飲み話からヒントを得たからです。

私達のような鉄工所にご注文いただけるということは、完全にオリジナルで製作ができるということ。階段をご利用になる方に一番合う作り方ができるのです。既成品の場合は基本仕様が決まっていて応用しにくいケースが多いです。その分コスト安というのもあります。
建物の屋上笠木と接触しないよう、踊り場部は跨いでいる

今までは使っていなかった屋上を菜園を作りたいというお施主様。2階のバルコニーから屋上に上がるための鉄骨階段を作ることになりました。改築工事としてのポイントは

  • 既存のバルコニーのスペース使用を最小限に留める
  • できるだけ付帯工事がないようにする

「だとしたらやはり螺旋階段で屋上まで行けるようにしたいですね」というお話になるわけですが、その話の中で「屋上菜園ができたら孫に見せたいんだよね」という言葉が。

小さい子がいるなら、手摺は縦格子にしないと。

何故、今回の螺旋階段の手摺は縦格子がおすすめなのかというと、横格子だとお子さんがその上に乗ってしまうから。横桟タイプだと足を簡単にかけてしまうので小さい子供だと転落の恐れがあります。その防止のために手摺を縦格子にすることにしました。

螺旋階段の手摺は目の細かい縦格子

手摺の格子の数も多くして、格子の隙間から落ちないように格子の目を細かくしています。これでお孫さんが転落することも防止できますね!手摺格子はステップ1段につき4本。手摺同士の隙間は10cm程度にしています。

溶融亜鉛メッキされた螺旋階段

今回の螺旋階段は溶融亜鉛メッキ処理にしています。防錆塗装よりも腐食に強くなります。また、屋上の縁をまわっていたアルミの笠木を傷つけないように、階段の最後の踊り場は笠木に接触しないよう、跨いで作ってあります。

バルコニーに増築された螺旋階段の足元

螺旋階段の上半身。踊り場鉄骨を見上げている

今回の鉄骨階段は、スペース有効活用のための螺旋階段です。それはニーズなお話なわけですが、今回の螺旋階段工事の胆(キモ)は手摺が目の細かい縦格子であること。

「設計にそうあったから?」そうではありません。現場調査に伺ったときにお会いできたお施主様との茶飲み話の中に出てきた「あ、お孫さんが屋上に上がるんですね?」というエピソードからです。

事件は現場で起こってるんだ~!言い得て妙。まさにお施主様も気づかない「隠れたヒント」は現場にあるのです。