だいたいいくら?スチール製フラットバー手すり

「手すりってオリジナルで作るとだいたい、いくらぐらいするの?」本当に多くお電話でいただくお問合せです。同じようなものであっても、ふたつと同じものを作らない私たちにはすごく難題なご質問なのですが、わかる範囲でお答えできればと思います。

「だいたいいくら?フラットバー手すり」
→1Mあたり4万円くらいでしょうか。

スチール性フラットバー手摺

シンプルに作れてオシャレなフラットバー手すりが人気です。すごく乱暴に費用をお答えするなら「1Mあたり4万円くらい(製品費)」でしょうか・・。

なぜ「ぐらい」なのかというと、材料、製作ボリューム、搬入経路、仕上げ方法などの要素によって工事価格が決定されるからです。

順を追って解説いたします。

【材料】スチール製のフラットバーの解説

フラットバー

材料となるのはスチール製のフラットバーです。

パイプ形状と違って中身に鉄が詰まっていますね。無垢材とも呼ばれます。ちなみに、材料費としてはステンレスはスチールの5倍以上高額となります。

一般的な鋼材は「定尺(ていじゃく)」といって、一定の長さを基準として卸されており、長さは5.5Mや6Mなど。たとえ、今回の手摺の長さが1Mであっても、5.5M以上のフラットバーを購入しなくてはなりません。

このことから材料費については「用意する材料の歩留まり(ぶどまり)」によって大きく変動してきます。※歩留まりとは、使用する量と購入する量のバランスです。

【製作ボリューム】
ある程度の長さになると製作費用は割安になる。

室内階段

工場での加工費用についても、手摺のM数が3Mの方が、10Mのものより、製作費用のM単価はアップします。生産性に差が出るからです。工場の中ではいろいろなものを同時に作っており、効率よく制作を進めるには、ある程度の長さがあった方が見通しも立ち、製作の段どりも良くなるので製作費用に影響を与えます。

また、仕上げ塗装を焼付塗装にする場合、フラットバーは「磨き材」という特種な材料を使います。通常のフラットバーには微妙な凸凹があり、塗装をすると凸凹が目立ってしまうのですが、「磨き材」を使えればツルツルに仕上がります。面倒なお話ですが、「磨き材」の基準の長さは4Mです。

工事費用を安くするには、焼付塗装をしない方法もありますが、このタイプの手すりでは意匠性の面から選択されることが少ないです。

【搬入経路】
手摺を一本にして搬入できるか?分割しないと搬入できないか?

焼付塗装の鉄製の階段手摺

建物までの搬入経路や搬入方法によっては、手すりを分割して納入しないといけない場合もあります。

大きなサイズだと室内で振り回せないなどの事情によって、手すりを小さくして個別で作り、現地でボルト組み施工が必要な場合は、その分の製作費用がかかります。

【まとめ】手すりの仕様が費用の大きな分岐点。

フラットバーで作る階段手摺と廊下手摺

写真のようなシンプルな手すりの場合もあれば、凝った作りをする場合もありますよね。このような手すりの仕様は材料費用、工場加工費用も含めて千差万別に分かれ、結果的に総額費用も大きく変動してきます。

「支柱や中桟の数や形状」「アール加工」「勾配、水平」「鋼材タイプ」「仕上げ塗装」などなど、オーダー金物の醍醐味は、その選択肢の幅にあります。

これらのことがありまして「だいたいいくら?」のご質問に明確に答えられないのが恐縮ではございますが、1Mあたり4万円くらいが相場かもしれません。

「10万単位でいいから教えて!」とお問合せいただくこともあるのですが、基本的には上記のような相場価格でお答えするしかできませんが、何かの参考になれば幸いです。